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ラストエンペラーと近代中国―清末中華民国 (中国の歴史)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 75380 位
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なぜ戦後中国は毛沢東を生んだか?
毛主義はどこから来たのか、どのように成立したのか、という素朴な疑問の下に読了しました。結局、マルクス主義とナショナリズムのセットということ以上に新しい見解は得られませんでしたけれど、次の11巻に描かれる登小平との対比的な関係からよりは縦糸の経緯が少しは理解できたように思います。突然降って湧いたかのような洪秀全(1814?64)の太平天国の乱から知識人の戊戌変法、義和団の乱まで清朝末期の腐敗と屈辱は農民土着の階級闘争へと、まるで現在の反米テロリズムのように繰り返された上で反抗の芽を噴き始めます。
最終、ロシア革命を契機に世界大の潮流となったマルキシズムの徹底した歴史破壊と下層民の怨念利用は袁世凱の暴政を経て欧米列強との抗争、抗日、反ソを具象的な契機に見事なまでに中華ナショナリズムとしての一国社会主義、一国社会主義としての中華ナショナリズムへと結実していったというわけです。
しかし、毛でなくてもよかったではないか、蒋介石(1887?1975)、張学良(1901?2001)、周恩来(1898?1976)等々誰でもよかったではないか、なぜ毛なのかと私は思いますが、読み終わればカリスマが集中し吸引していくその数奇な運命と偶然は結果として何億の民人のおびただしい血に贖われながら現在のアメリカに経済的に対抗するまでになった中国に直接つながっていることを否応なく知らされることでしょう。
南の辺境から吹いた新時代の風
講談社による中国史新シリーズの第10巻で、清末の太平天国運動から日中戦争勃発の頃までの約100年間を対象に、近代中国の苦悩と希望の歩みを説き明かすものです。気が付いたことは以下のとおりです。 (1) 中国近・現代史というと、惨憺たる暗黒の時代を対象とした上、何かしら思想含みの堅苦しい説明がなされるというイメージが強いのですが、本書では、当時の中国が置かれた過酷な環境に触れつつも、新しい機運の胎動といった積極的側面に注目し、改革に尽力した人々の活躍を平易な言葉で描いています。随所に魯迅らのエピソードなども交えており、読み物としても楽しめる内容となっています。 (2) 時代の方向性に強い影響を与えた数々の出来事、すなわち、太平天国の乱、変法自強、孫文や毛沢東らによる革命運動などにつき、「南の辺境から吹いた新時代の風」という言葉を用いたユニークな捉え方をしており、この見方を本書の縦糸としています。 (3) 袁世凱の開発独裁志向のストロングマンという側面を紹介したり、孫文と国民党の専制体質を指摘したりと、政治的立場にとらわれない率直な解説がなされています。 (4) 他方、この時代の社会的・経済的・文化的な状況については必ずしも力が入っているとは言えず、この点については些か物足りないものを感じる向きがあるかも知れません。 さて、本書では、台湾出兵から日中戦争に至る日中関係の激動にも少なからぬ紙幅が割かれています。こうした部分を読むにつけても、「あの時に日本がこうしていれば」とか「何故あの時に日本はこうできなかったのだろう」などといろいろなことを考えさせられました。そうした思いも込めて、広く皆さんにおススメしたい一冊です。
講談社
海と帝国―明清時代 (中国の歴史) 第11巻 巨龍の胎動(毛沢東VSケ小平) (中国の歴史 全12巻) 中国思想と宗教の奔流―宋朝 (中国の歴史) 中国の歴史 (12) 疾駆する草原の征服者―遼 西夏 金 元 中国の歴史 (08)
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